no.3

骨髄由来血管内皮前駆細胞の血管新生を阻害する抗がん療法

 
   腫瘍増殖には癌細胞の増殖とそれに不可欠な血管新生が関与する。治療に用いる抗がん剤は細胞毒性を期待するものが多いが、血管新生阻害効果も報告されています。血管新生には、血管内皮前駆細胞(EPC)が血中へ動員され目的部位に集積して生じるvasculogenesisと、既存血管の血管内皮細胞 (EC)の分化・増殖により生じるangiogenesisがあります。近年、Docetaxel(DTX)及びPaclitaxel(PTX)は臨床的濃度よりも低濃度においてangiogenesisを阻害することが示されています。 そこで、抗がん剤の血管新生阻害作用におけるEPC機能への影響を検討することを目的として研究を行っています。EPCとして当研究室で樹立したラットEPC株TR-BMEを用いました。これまでに低用量のDTX及びPTXがEPCの腫瘍部位への集積を低下させる作用を見出し、血管新生抑制による低毒性の抗がん治療を提唱しています。

発表論文:
Muta M, et al., Oncology. 77(3-4):182-191.(2009)