薬剤学講座ホームへ 研究室紹介 受験生の皆様へ 医薬品情報データベース OTC 薬適正に使用ためのe-learing 教室行事
       
   
研究の内容 印刷用ページ  
   
no.1

胎盤関門の栄養物・薬物輸送機構の解明 ≫

 
  no.2

胎盤関門機能におけるエズリンの役割に関する研究 ≫

   
no.3

骨髄由来血管内皮前駆細胞の血管新生を阻害する抗がん療法 ≫

 
no.4

薬系大学におけるe-Learningを用いたOTC薬教育の試み ≫

 

小児患者を持つ母親への情報提供 ≫

   
 

医療用・一般用医薬品比較学 ≫


   
  この研究内容を印刷 ≫  
  no.1

胎盤関門の栄養物・薬物輸送機構の解明

 
  1−1.マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン)  
 
 マクロライド系抗生物質のErythromycin (EM)は胎児への移行率が小さく比較的安全性が高いことから妊婦の感染症の治療薬として用いられています。しかし、妊娠時にEMを服用していた妊婦から生まれた新生児の一部に幽門狭窄症になるリスクが増加するという報告があり、EMの胎盤透過機構の解明は重要です。そこで本研究では血液-胎盤関門のin vitroモデルとして条件的不死化syncytiotrophoblast細胞株(TR-TBT 18d-1)を用いてEMの輸送機構を解明することを目的として研究を行っています。
 EMのTR-TBT細胞への取込み輸送は主にトランスポーターが関与し、胎盤細胞の刷子縁膜小胞をもちいた解析により、その輸送はプロトンとの交換輸送であることが示されました。さらにTR-TBT細胞からのEMの排出機構もプロトンと連動しているとの知見も得られています。これらの結果はEMの胎盤での動態にプロトン交換型トランスポーターが重要であることを意味しています。

発表論文:
Sai Y, et al., Drug Metab Dispos. 38(9): 1576-1581 (2010)
 
  1−2.核酸および核酸類似薬(ジドブジン)  
 
 核酸は胎児成長に必要な栄養素であり、また胎盤の血管収縮制御に一部関与します。
核酸構造を有する抗HIV薬のzidovudine (AZT)は垂直感染防止のため妊婦にも投与されますが、胎児毒性を示すことが報告されています。これら核酸類の胎盤透過に関与するトランスポーターの解明は、胎児成長、胎児毒性の観点から重要です。
 核酸であるadenosine、uridineの胎盤透過にはENT1(SLC28A1)、ENT2(SLC28A2)が関与し、それぞれの寄与率を評価しています。またAZTの胎盤移行には主にトランスポーターが寄与しますが、上記のトランスポーターの寄与は少なく、新規のトランスポーターが関与していることが示唆されました。

発表論文:
Sato K, et al., Placenta. 30(3):263-269.(2009)
Nishimura T, et al., Drug Metab Dispos. 36(10):2080-2085.(2008)
Sai Y, et al., Pharm Res. 25(7):1647-1653.(2008)
Chishu T, et al., Placenta. 29(5):461-467.(2008)
Nishimura T, et al., J Pharm Sci. 100(9): 3959-3967 (2011)
Nishimura T, et al., Drug Metab Pharmacokinet. 27(4): 439-446 (2012)
 
    ページトップへ戻る
  この研究内容を印刷 ≫  
  no.2

胎盤関門機能におけるエズリンの役割に関する研究

 
   Syncytiotrophoblast(Syn)には胎児への栄養を供給するトランスポーターが発現しています。近年、これらトランスポーターとezrin/radixin/moesin (ERM family)が相互作用し、トランスポーターの機能を制御することが示唆されています。Ezrinknockout mouseの胎児は、成長遅延が観察されるため、ezrinは胎盤において胎児への栄養供給に関与すると考えられます。先端生命科学研究所との共同研究により、生体成分を一斉に分析するメタボローム解析を実施し、胎児成長に重要な因子を見出しています。

発表論文:
Higuchi K, et al., Biol Pharm Bull. in press
Nishimura T, et al., PLoS One. in press
 
    ページトップへ戻る
  この研究内容を印刷 ≫  
  no.3

骨髄由来血管内皮前駆細胞の血管新生を阻害する抗がん療法

 
   腫瘍増殖には癌細胞の増殖とそれに不可欠な血管新生が関与する。治療に用いる抗がん剤は細胞毒性を期待するものが多いが、血管新生阻害効果も報告されています。血管新生には、血管内皮前駆細胞(EPC)が血中へ動員され目的部位に集積して生じるvasculogenesisと、既存血管の血管内皮細胞 (EC)の分化・増殖により生じるangiogenesisがあります。近年、Docetaxel(DTX)及びPaclitaxel(PTX)は臨床的濃度よりも低濃度においてangiogenesisを阻害することが示されています。 そこで、抗がん剤の血管新生阻害作用におけるEPC機能への影響を検討することを目的として研究を行っています。EPCとして当研究室で樹立したラットEPC株TR-BMEを用いました。これまでに低用量のDTX及びPTXがEPCの腫瘍部位への集積を低下させる作用を見出し、血管新生抑制による低毒性の抗がん治療を提唱しています。

発表論文:
Muta M, et al., Oncology. 77(3-4):182-191.(2009)
Sai Y, et al., Biol Pharm Bull 37(4): 688-693 (2014)
 
    ページトップへ戻る
  この研究内容を印刷 ≫  
  no.4

薬系大学におけるe-Learningを用いたOTC薬教育の試み

 
   OTC薬は国民が健康を自身で維持するセルフメディケーションにおいて必要不可欠なものであり、OTC薬の適正使用を推進することは薬剤師の重要な責務です。しかしこれまでの我々の調査から、日本の薬系大学には諸外国に比べOTC薬の適正使用に関する教育が少ないことが判明しました。そこで本研究では、国民 に適切なセルフケアを指導できる薬剤師を育成するためのOTC薬教育ツールをe-Learning形式で作成し、Webで運用することを目的としています。e-Learningは、概要・原因・症状・治療・フローチャート・セルフケア・まとめ、ならびに各項目の最後に設けたクイズに 回答して学習到達度を自己確認できるよう構成しました。e-Learningで学習することで患者の症状把 握・適切なOTC薬の選択・セルフケアを含めたOTC薬を適正に使用するための患者教育・適切な受診勧告を行うプロセスを習得することができます。使用した学生から、これからの学習に有用であり使い勝手も良い、との評価を受けています。学生の評価から、国民へ適切にOTC薬とセルフケアを提供できる薬剤師を育成する教育ツールとして、薬系大学で活用できるe-Learningが 作成できたと考察されます。今後対象疾患を増やすと共に教育の評価方法を検討し、プログラムの改善・品質・効率向上を行っていく予定です。

発表論文:
Tsukiji M, et al., Jpn J of Drug Inform. 9(3):198-204.(2007)
 
    ページトップへ戻る
  この研究内容を印刷 ≫  
 

小児患者を持つ母親への情報提供

 
   小児患者を持つ母親への情報提供を目的として、当講座では小児の服用するドライシロップ剤を嗜好品と混合するとき、相性のよいものはどれかを検討しました。検討結果、アイスクリームが抜群に相性の良い嗜好品とわかりました。
 現在は、混合してしばらく置いた後でも、力価が減少しないかを検討中です。
ドライシロップ剤は何と混ぜると服用しやすくなるか?
 
  ドライシロップ剤は何と混ぜると服用しやすくなるか?  
   
                   
  テオドール  ドライシロップ    
  テルギンG  ドライシロップ × ×    
  ナウゼリン  ドライシロップ    
  バナン      ドライシロップ    
  ホクナリン  ドライシロップ    
  ホスミシン  ドライシロップ    
  リカマイシンドライシロップ ×    
  リザベン    ドライシロップ    
                   
    :とても服用しやすい
  ○:服用しやすい
  △:少し服用しにくい
  ×:とても服用しにくい
平成13年10月、日本薬剤師会学術大会にて発表    
                   
  ページトップへ戻る
この研究内容を印刷 ≫
 

医療用・一般用医薬品比較学

 

 医療用医薬品と違って、大衆薬は家庭に常備し、家族全員で使用するものです。家族で情報を共有することがとても大事なことなのです。当講座では、生活者
(消費者)のセルフメディケーションの手助けとなるよう、大衆薬の情報提供に
ついて検討しております。
 シリーズで似通った大衆薬や医療用医薬品との違いを学んでいきましょう。
 
    医療用・一般用医薬品比較学 【OTC医薬品シリーズ& No.1】    
   


第一回目は、バファリンについてです。まず問題を解いて見てください。

   
   

バファリンについての問題

   
         
 

解熱鎮痛抗炎症薬である医療用医薬品のバファリンと一般用医薬品の
小児用バファリンの違いについて正しいものはどれか。

 1.両者とも有効成分はアスピリンである。
 2.両者の違いはアスピリンの量である。。
 3.小児用バファリンにはアセトアミノフェンが入っている。

選択選択選択

  医療用・一般用医薬品比較学 【OTC医薬品シリーズ No.2】  
 


第二回目は、ピリン系と非ピリン系薬剤についてです。まず問題を解いてみてください。

 
   

ピリン系と非ピリン系薬剤について

   
         
 

ピリン系・非ピリン系の解熱鎮痛薬に関する次の問について正しいものはどれですか?

 1.医療用医薬品のセデスは非ピリン系である。
 2.一般用医薬品(大衆薬)の解熱鎮痛薬にはピリン系の成分は
   配合されていない。
 3.医療用医薬品のサリドンと一般用医薬品のサリドンAには
   イソプロピルアンチピリンが含有されている。

選択選択選択

  医療用・一般用医薬品比較学 【OTC医薬品シリーズ No.3】  
 


第3回目は、dl-マレイン酸クロルフェニラミンとd-マレイン酸クロルフェニラミンについてです。まず問題を解いてみてください。

 
   

dl-マレイン酸クロルフェニラミンとd-マレイン酸クロルフェニラミンについて

   
     
 

風邪薬や抗アレルギー剤に含有されているマレイン酸クロルフェニラミンについて、次のうち正しいものはどれですか?

 1.医療用医薬品の抗ヒスタミン薬は、d-マレイン酸クロル
   フェニラミンのみである。
 2.一般用医薬品の抗ヒスタミン薬は、dl-マレイン酸クロル
   フェニラミンのみである。
 3.d-マレイン酸クロルフェニラミンの抗ヒスタミン作用は
   dl-マレイン酸クロルフェニラミンより強力である。

選択選択選択